ライアテア島の大うなぎの伝説

ライアテア島の大うなぎの伝説

タヒチにはうなぎが登場する伝説が沢山あります。うなぎのいる島では餌付けされていたりして、神の化身として大切されています。タヒチのうなぎは日本のうなぎの何倍もの大きさで初めて見た時は目を丸くしました。

ライアテア島の空港には海につながる川があり、そこで大うなぎを見ることができます。今回はライアテア島の大うなぎのお話です。

 

タヒチ島からライアテア島にやって来たティイという名の男はうなぎと植物を育てる為に静かな人里離れた土地を探しておりました。ある日、テメハニ山のクレーターにある池で育てる事に決めました。

ティイはうなぎと植物を本当の子供のように大切に育てたいと考え,名前を付けることにしました。うなぎを息子とし「ナナイタヒチ」、植物は娘とし「ファラ」と名付けました。そして、うなぎは弟、植物は姉となりました。

ティイは子供達の元へ足繁く通いましたが、ある日子供達が健やかに育った様子を確かめた後、とうとうタヒチ島に戻る決心をしました。

ティイはナナイタヒチに「ここで大切なお姉さんと暮らしなさい」そしてファラには「弟のめんどうを良く見るんだよ」と言い残しました。

それからタヒチ島に戻った後もティイは時々、子供達に会いに来ました。池の周りにカモメが飛んでいるのを見ることで子供達の無事を知ることができたのです。

しかし、ある時そこを訪れた漁師はカモメが飛んでいるのを見て、「何かいるのではないか?」と池を覗き込みました。

そしてファラの傍にいたナナイタヒチを見つけたのです。漁師が餌をつけた釣り竿を投げ込むとナナイタヒチはそれにかかってしまいました。

漁師が池から釣り上げようとするとナナイタヒチは体をファラの幹に絡ませて釣られないように抵抗しました。

漁師はそれに負けないようにと引っ張ったのでファラの根っこは揺さぶられて抜け始めました。それを見たナナイタヒチは姉を守る為、絡めていた体を離し、釣り上げられてしまいました。

いつものように様子を見に来たティイは池の周りにカモメが飛んでいないのを見て不安が過りました。そしてナナイタヒチがいないことを知ると涙にくれました。その悲しみはとても大きく、辛さに絶えられずティイはとうとう亡くなってしまいました。

 

現在でもテメハニ山のクレーター近くにあるその池は、トゥプアの入江に行くと見る事ができます。そして、そこにはファラが今でも根付いています。ファラはパンダナスの木の事です。その葉っぱは帽子やかご、マット、船の帆、屋根などに多様に使われるポリネシアの生活に欠かせない植物です。

 

次回も大うなぎにまつわる伝説をご紹介します。

 

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